2024-05

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アンラッキーな日-type M-

美優は私立の桜恵高校に通う、勉強に青春を費やす普通の高校2年生だ。毎日高校には自転車で通っている。その日も美優はいつもどおり真面目に授業を受けると、勉強仲間の康博と流華の3人で熱心に自主居残り勉強をした。美優はそれを終えると康博といっしょに帰ろうと思ったが、康博は先生に授業の質問があるらしく、仕方なくひとりで帰ることにした。ちなみに流華は逆方向。
桜恵高校から美優の自宅へ行く最短のルートには大きくて急な坂があり、坂の突き当たりは田圃になっていた。田圃は4年ほど前までは秋に小麦色の草原を思わせるほどのたわわな実りを見せていたが、今となってはただの泥沼でしかなかった。
今日もその坂まで自転車を走らせた。急な坂だから降りて通行する人がほとんどだが、美優は普段からブレーキを頼りに勢いよく降りるのが好きで、最後にクッと曲がってキメるのが幸せだった。
しかし、今日は事件が起こった。あるいはついに事件が起こってしまったといったほうがよいかもしれない。美優はいつもどおりブレーキを頼りに降りていく。するとその坂の中腹あたりで「バァン!!!!」という破裂するような音がしたかと思うと、美優の自転車はみるみるうちにスピードを上げていった。
長い間すり減らしてきたブレーキが壊れたのだ。美優は自転車をとめることも降りることもできずそのまま田圃へ一直線。田圃に落ちる寸前に無意識の恐怖で手をハンドルから離したのがよかったのか、泥がクッションになってくれたのか、美優は特に痛みもなく無傷ですんだが、その代償は大きかった。全身泥んこ。紺色のスカートはその色がほとんど見えなくなるほど茶色く染まり、セーラー服も胸まで茶色く染まっていた。背中にいたっては後頭部まで真っ茶色。どうしよう、と手を出して胸を掴むと余計によごれた。。。
とりあえず自転車を引き上げようと自転車を押す。しかし、何度やっても車輪が転がって、また田圃に戻ってしまう。その原因は美優自身にあった。これ以上汚れないように気を遣いながらだったのだ。美優はそれを諦めると、いっそのことと思い顔からうつぶせに泥に浸かった。見事に泥人形が一丁上がり。自転車を引き上げたあと、全身泥んこの自分がなんだかうれしくなって、上がれたのにもう一度泥に入って田圃に潜った。服の中にまで泥を塗りこんで、下着も胸もドロンドロン。靴を脱いで泥を汲み、頭から浴びた。最後に泥を汲んだままの靴を履き、あふれ出る泥のグチュとした感じを愉しんだ。

雲行きが怪しくなってきた。泥んこを落としたい美優はもう浴びる気満々でいた。なるべく人のいないところを通りながら帰っていった。

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