2010-11

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モデル修正3

2度目はあのモデルの女性だけが来た。今日はいよいよ撮影場所に行くらしい。といっても、私の撮影はまだない。モデルの女性が撮影されるのを見学するのだ。
場所は同じ。女性はもう来ていた。
「おまたせしました」
私は着席した。
「前回はなんか挨拶もそこそこですみませんでした」
と女性は言った。いえいえ、と私は笑顔で流し、私はメニューを取り、飲み物を探した。
「ひなさんは何飲まれます?」
「あ、えーっと・・・アップルジュースで」
私は店員を呼び、アイスコーヒーとアップルジュースを注文した。注文し終わると、ひなさんが話しかけてきた。
「あの、彩夏さん?その、できれば『さん』つけやめてもらってもいいですか?」
「あら、苦手です?」
「はい・・・できればタメ口で話してもらいたいんです・・・勝手ですみません。」
「じゃあひなちゃんもタメ口で話してね」
私が急にタメ口で話したことに、ひなちゃんは目を丸くした。
「いいんです・・・いいの?」
「正直堅苦しいの苦手なの。監督さんやスタッフの方とはたぶん敬語で話すけどね」
私は笑った。急に親近感が湧いてきて、いろいろ雑談できた。

しばらくして、
「あ、忘れてた。打ち合わせなんだけどいい?」
ひなちゃんは書類を出しながら言った。
「いいよ~」
「彩夏さんは服のサイズいくつ?」
「8号だよ」
「細っ!いいなぁ~次ね、セーラー服とか着られる?撮られて恥ずかしいとかない?」
「セーラーかぁ・・・もう10年着てないよ。でも大丈夫だと・・・似合うかどうかは考えないで」
「んじゃ一応OKにしておくよ。当日やっぱり無理ならそれでもいいから、と、旦那様より」

「え?どっかできいてるの?」
「微妙だったらそう言うようにって伝えられてたの。あ、しまった」
どうした?ときくと、目を細めて低い声で、
「無理ならそれでもいいからぁ」
と、監督の真似をした。私たちは笑った。

食事代はひなちゃんが払った。私が払おうとすると「誓約違反になっちゃうから。お金貰ってるから」と突っぱねられた。
その後ひなちゃんと一緒に衣装を買いに行った。いろんなジャンルの服が揃う大型の古着屋さんだ。
「まあもちろん濡らしたり汚したりしちゃうんやけど」
とひなちゃんはいうと、目を細めて低い声で、
「普段のお好みで決めて下さい。最初に着たい衣装は来週の撮影日まで着倒して洗って下さい」
私が笑うと、
「普段から着てる服を濡らしちゃうのは、うち、ドキドキするのね?だから彩夏さんにもそうさせたいんやないかな」
「へえ~、なるほど」
「それと、監督の意向で、原色系?の水着を着ることが必要だって。時によってはスク水か競泳水着もありね。うちとこは下着NGだから」

あれこれ話しながら服を探した。私は普段無難な、ありきたりのばかり選ぶ。だけど、せっかくだから着てみたいっていうのもあって、フリルのついたリボンのかわいい服も何着か選んだ。学生時代からの憧れだった。そちらの趣味はひなちゃんとも合うようだ。
ひなちゃんに指定された枚数はかなりのものだった。契約期間の半年間はこればかり着ることになる。大量の衣装のお金はもちろんひなちゃんが払った。荷物を抱え、ひなちゃんの赤い車に乗った。いよいよ撮影現場に行くのだ。車の中ではカーステレオの音が聞こえない程、よく喋った。


ついに撮影現場まで来てしまった。カーナビで地図を見たら、ちょうど今住んでいるところの最寄り駅の対称点位のところにあった。これなら自転車でも来られてしまう。
ひなちゃんは私を招き入れてくれた。ここはひなちゃんと監督さんの家らしい。二人で住むにしてはとても大きかった。家の隣には屋内プールがあり、庭には池があった。監督さんと挨拶すると、ひなちゃんは更衣室に連れて行ってくれた。男女共同ながら個室が三つ。ロッカーもある。小さいながらプライベートは守られていた。
「せっかくだからセーラー服着てみる?うちのやからサイズ合うかどうかだけど」
ひなちゃんの提案で私は着てみることにした。高校卒業以来だから、ちょうど10年ぶりのセーラー服。恥ずかしくないといったら、嘘になる。
着てみて、どう?とひなちゃんに見せようとしたら、ひなちゃんは既にプールに行ってしまったらしい。仕方なくひなちゃんを追いかけた。
ひなちゃんを捜すと、監督ではない男の人に出会った。その人は、私がミスをする寸前まで進めていたプロジェクトに、大きな協力と支援を下さったIT会社の社長、飯島博史さんだった。
「あれ?杉原さん…だよね?」
「飯島さん…!?」
「その格好は…」
はっ、と気づいた。私はセーラー服だ。顔から火が出る、といった感じで顔が熱くなるのを感じた。頭が真っ白になって、思わず「ひゃあっ」と、素っ頓狂な声を上げて更衣室に走った。
心を落ちつけて、元の普段着に着替えてる間、「何をしたんだ!」という怒鳴り声がプールに響きわたっていた。監督の声だ。
私は着終わると直ぐに戻って、事情を監督に説明した。私が昔OLだったこと、プロジェクトに関わっていたこと、飯島さんに大きく協力と賛同を頂いたこと。セーラー服を着て恥ずかしくて声を上げてしまったこと。監督は何事もなくてよかったと納得したようだった。
「で、セーラー服はどうだった?」
ひなちゃんは黒いワンピースをぴったり体に貼りつかせ、ぽたぽた雫を髪や服から垂らしながらやってきた。恥ずかしかったというと、そう、と、少し残念そうな顔をした。
監督に改めてスタッフを紹介された。先ほどの飯島さんはここではひろしさんと呼ぶべきらしい。もうひとり、無精ひげを少し生やした人が来た。彼の名前はDさんという。本名は堂本さんなのだが、知り合いバレすると困るのでDと呼んでほしい、とのことだった。ちなみに、無精ひげはたまたま剃り忘れただけらしい。
全員揃ったところで、私のモデル名をハンドルネームそのままの、彩夏にすることが正式決定した。来週の土曜から仕事となる。
今日は見学。ひなちゃんは元気よくプールに飛び込むと、いきなり潜り、潜ったままプールのはしごまで泳ぎ、手をかけ、一気に上がった。全身から水滴を垂らしながら、楽しそうにスカートをつまんだり、絞ったりしていた。私はあのひなちゃんの残念そうな顔を思い出し、更衣室に行った。
セーラー服を着て、少し恥ずかしいとも思いながら出てきた。ひなちゃんが真っ先に気づいて、雫がようやく垂れなくなった服で近づいてきた。
「せっかくだから見てください…変じゃありませんか?」
監督さんやスタッフの二人も来た。監督は片手にバケツを持ち、意味もなくひなちゃんに頭からかけた。
「すごく…可愛いです」
ひろしさんが少し顔を赤らめて言った。私はそれを聞いて、少し恥ずかしくなったが、安心した。
「彩夏さん美人だもん。何でも似合うよ!メイド服とかも着ない?」
そう言ってくれたのはひなちゃんだった。それも恥ずかしかったけど、着てみたいとも思った。

今日はとりあえずこれで終わり。濡れてみたかったけど、来週の撮影までお預けにしよう。

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