2009-11

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

二人だけの秘密

彼女の名は麗華。明晶学園女子部に通う高校二年生だ。
麗華は制服をアレンジするのが好きだ。この学校の制服はブレザーで、ネクタイは学年色制。麗華の学年色は濃い緑だ。季節は秋。合服は冬服のジャケット無しである。麗華は少し小さいサイズの合服をわざと着て、第一ボタンと一番下のボタンをあけ、胸の形がくっきりとみえるようにする。チェックのスカートはなるべく短くして、見せパンを穿いている。髪にはウェーブをかけている。でも染めたりエクステをしたりはせず、地毛のその色でするのだ。それなら校則違反にはならない。スカートの設定は少し破っているが。
それでも麗華は注意されたことはない。成績がいいせいだ。学年でいつも9位以内をキープしている。
彼女はとかく嘘が嫌いだった。誰に対しても『勉強なんてしてない』とは絶対いわず、いつも「趣味と部活がないから勉強してるしか暇がつぶせないの。」と苦笑している。

そんな彼女にも、唯一と言える秘密の趣味があった。


彼女の名は涼子。いつも生徒会室にいる生徒会長だ。
涼子は髪をショートにして、右を多めに分けてピンで止めている。おでこが広いので、デコ会長と呼ばれ、意外と本人も気に入っている。制服は着こなさず品行方正、スカートもオリジナルの長さを尊重して膝下2cmを守っている。
真面目一点張りといった会長ではなく、気さくに生徒たちに触れあい信頼も厚い。

そんな彼女にも、人には言えない秘密の趣味があった。



秋霖が降り注ぐ。今日の午後から降り出した。生徒の一部は近くのコンビニまで走って傘を買い、また一部は駅まで走る。さらに一部は折りたたみ傘を取り出している。
麗華はとりあえず走りだした。人気の少ない道まで走ると、急にスピードを緩めた。もう走る必要はない。雨は少し冷たいけど、風邪をひくほどでもないだろう。麗華の服や髪はどんどん濡れていった。
そう、これが麗華の趣味だ。ウェーブさせたはずの髪はしっとり濡れ、ストレートに。髪型が変わるだけで意外と気づかれない。麗華は雨の日にはいつも寄る噴水公園に入った。
麗華はそっと鞄を置いて、辺りを見回した。雨の公園は人が全くいない。時間が止まったようだ。でも実際には噴水は流れているし、雨は麗華を濡らして、遊具を濡らしている。
麗華は誰もいないことを確認すると、素早く噴水に飛び込んだ。が、そこにはもうすでに先客がいた。


「ぷはぁ。」
顔を出したその子は涼子。涼子も濡れるのは大好きだった。
麗華は驚いて思わず声をあげそうになった。会長が服をビチョビチョにしている。
「あら、麗華さん。」
涼子は平然と言った。
「え?な、ちょっ、会長!?」
麗華は声を裏返して驚いた。
「あなたも濡れに来たの?」
麗華はそれに思わず頷いてしまった。
「じゃ、どうぞ。」と、涼子は座り、隣に座るようにどいた。麗華は何かに操られるように水の中に座った。

「会長?」
麗華は手で水を制服にパチャパチャとかけながら言った。
「何?麗華さん、」
涼子は水を手で掬い頭や服にかけながら答えた。
「んーと、いつからですか?」
「あぁ、4歳か5歳くらいからだよ」
「長っ、あ、そうじゃなくて、いつから気づいてたの?」
「ん?何が?」
涼子は手を止めた。
「あたしが濡れ好きなこと」
「今。ってか、噴水に入ってきた瞬間」
「えっ?」麗華も手を止めた。
「正直いきなり足入ってきたからびっくりした。」
「・・・」
麗華が黙っていると、涼子が手で水を汲んで麗華の頭にかけた。
「ふゃあ!」麗華は変な声で驚いた。
「折角だから水遊びしよう!」涼子は子供のような笑顔で言った。
「あ、うん・・・でもちょっと待って。」
麗華は噴水から出た。ビチャビチャと水を垂らしながらトイレに駆け込み、清掃用のバケツと防火用バケツを拝借してきた。防火用にはすでに水が入っていたので、トイレで頭から浴びた。そして水を垂らしながら戻ってきた。
「おまた~。」
涼子に清掃用を渡し、防火用に水を汲んで座っている涼子の頭の上から浴びせた。
「ふぅ。」涼子は浴びせてもらい終わると、清掃用に水を汲み頭から浴びた。
「じゃあ今から先に10杯浴び終わった方が・・・どうしよう?」麗華が提案した。
「負けた人を噴水に沈めるってのどう?」涼子は答えた。
「いいね!それ!」
「スタートのかけ声は宜しく」涼子は噴水からあがった。
「それじゃ、よーい、スタート!」
一斉に浴び始める。冷たい水をじゃぶじゃぶと浴び、水たまりがものすごく大きくなった。5杯目くらいから少しずつ麗華が失速してきた。
「はい10杯終わり!」涼子は濡れた服をはたきながら叫んだ。そして浴びている麗華に背中から抱きつき、そのまま噴水へ飛び込んだ。

「ぶほっ!」
麗華は頭を押さえつけられていた。涼子は2度押さえつけると力の入らない麗華を抱き抱え、噴水の水が落ちているところに麗華を座らせた。
麗華はしばらく水を浴びながら休むと、涼子に言った。
「疲れちゃった。あたしそろそろ帰るわ。」
「うん、分かった。」
「あ、あのさ、会長?」
「何?」
「あたしが濡れ好きってことは・・・」
「内緒だよ。そっちこそ・・・麗華さんこそ、内緒にしてね」
「うん、二人だけの秘密だね。」
「だね。」

麗華はその雨の降り方には不自然なほどぐしょ濡れだった。濡れた服は下着を完全に透けさせていた。見せパンもスカートもしっかり貼り付き、髪もビショビショだった。それでも嬉しそうに秋霖の降り注ぐ道を帰った。

一方涼子は思う存分遊びまくって夜になった。バケツを戻し、相変わらず長雨の続く空の下、やはり不自然にぼったりと濡れた服を絞りながら歩いた。

«  | ホーム |  »

プロフィール

ハワード(haword5555)

Author:ハワード(haword5555)
hawordの綴りが間違っているのは仕様です

Twitter...

ハワード 更新

カテゴリ

おしらせ (13)
単発WET小説 (20)
単発Messy小説 (5)
アイドルの楽しみ (10)
モデル体験記 (33)
AV女優という運命 (4)
シリーズ物(未定) (0)
雑文・その他 (14)
百合WAM小説 (3)

リンク

このブログをリンクに追加する

最新コメント

訪問者数(2009.2.21~)

最新記事

月別アーカイブ

Amazon

Amazon お気に入り

Amazon おすすめ商品

検索フォーム

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード