2024-05

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剣豪娘の通過儀礼

沢上流剣術正当継承者の沢上冴子は、十七歳の通過儀礼である山隠りに出た。千薬山山奥にある平たい岩の上で、炒り飯と沢の水だけで七日間過ごす。
沢上家伝来の名刀梅一文字を腰に差し、一人山隠りを始めた。
沢上流は国の無形重要文化財として守られてはいるのだがやはり法は厳しい。名刀梅一文字は先々代の折に廃刀令により刃を切れなくする加工が施されてしまった。尤も、沢上流の神髄とは、無駄な殺生をしないことにあるのだが。

冴子は白装束を着て静かに岩の上に座ると、刀を構えた。そのまま邪念を消すのだ。

と、急に雨が降り出した。じっと雨に打たれながら止むのを待つ冴子。ところが、冴子にはある不思議な感覚が広がってきた。
気持ちいい。なぜか興奮してくるのである。

自分の修行が未熟であるが故か。邪念を振り払うため、殺陣を行った。しかし、どれだけ動いてもピタリと張り付く白装束に興奮を覚えてしまう。
ならば、と、滝業にはいることにした。近くの滝まで急ぎ、刀を収め、滝の中で座禅を組む。究極の邪念のとりかただ。しかし、ずぶ濡れであることに興奮を覚えるという邪念は取り払われるどころかどんどん強くなってしまった。
冴子はならばそれに身を任せることにした。滝から戻り、ずぶ濡れ白装束で雨を浴び続ける。帰ったら修行のやり直しだ、そう思いながら。
雨が止み、全身びしょ濡れで佇む冴子。髪を整えたりすることはなく、ずっと座禅を組み、精神統一に励む。濡れた装束から滴が岩に滴り落ち、染み入る。日が暮れ、さすがに腹も減ったが、それでも冴子は座り続けていた。

朝静かなる目覚めと共に滝行に励む。やはり装束の濡れによる邪念が取り払われることはなかった。それどころか、もっと浴びていたいとすら思うようになっていた。当然冴子の17歳特有のむっちりとしたハリのある肌が白装束から透け、下着は腰巻きだけなので柔らかな膨らみのある胸はその中心の桃色の円形がくっきりと見えるほど透けていた。

極限まで腹を空かせた冴子は濡れ装束のまま炒り飯を頬張った。そしてすぐに滝に戻った。


4日目に父上が見に来たときにもやはり雨でずぶ濡れだった。冴子が邪念のことを話すと、「未熟者」と一喝され、「ならばそれがいやになるまで滝行をするべし。昼夜を問わず励め。あと3日、滝に打たれ続けろ。邪念を消すまで飯は食うな」といわれた。
早速滝行に励む冴子。1時間足らずでもう疲れてきた。それでも、邪念が消えない。浴び続けた。

夜になり、肌寒くなっても浴び続ける冴子。寒くて疲れて倒れそうだったが、それでも邪念は消えなかった。

滝行のままいつの間にか朝を迎えていた。ぐったりと青ざめた顔の冴子。ビチョビチョでよれよれになった装束を着たままだ。それでもやはり体の中から火照る気持ちが消えない。休むことなく滝行を続けた。

どれくらい時間がたっただろう。もはや冴子には時間という感覚すらなくなってきていた。あと何日、という感覚も忘れ、ただ一つ残ったのは「ずぶ濡れという状態が気持ちいい」という感覚だけだった。

ちょうど1週間が終わり、父上が迎えに行ったときもそのまま滝に打たれ続けていた。父も滝の中に入り冴子を出すと、まだ邪念が消えないといった。冴子は実に3日ぶりに滝から出た。頭はクラクラし、体はふらふら。装束はぴったり透けてよれよれになっていたが、やはり邪念だけが消えなかった。
父はもはや諦めたように冴子を介抱した。冴子はもう歩くことすらままならない状態だったからだ。

山を下りている途中ではっ、と我に返る冴子。装束から乳首が丸透け状態だった。どんな家柄であろうと冴子だって17歳。年頃の娘である。そんな姿では歩きたくない。恥ずかしい・・・

家に戻るまで誰ともすれ違わなかったことが幸いして、冴子のその純粋な身体が他人の目に触れることはなかったが、それでも恥ずかしさで折角のご飯も喉を通らなかった。
夜、母上が心配して好物の梅おにぎりをそっと差し出した。冴子はポロポロ涙をこぼしながら邪念が消えなかったことを話した。母上は、「やっぱり、あなたも私の子ね」と、自分もずぶ濡れに興奮することを教えてくれた。

結局沢上流は別の弟子入り志願者に継承されることとなった。冴子は自分の愚かさを責め続けたが、父上も、やっぱり母さんの子なんだな、と、笑って許してくれた。

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千薬山がイチョウの見頃の時期をむかえたので、僕は写真を撮りに行った。あそこには蓮滝と呼ばれる小さな滝があるのだが、そこを中心としたイチョウの広がりがとても美しく、構図もぴったりなので、お気に入りにしているのだ。
すると今年は不思議な光景を目にした。女性が2人、服を着たまま滝にうたれているのだ。1人は4、50代の美しい女性。もう一人は10代後半だろうか。どちらも分厚い服だが肌が透けて見える白い服を着ていた。10代の子にいたっては胸まで透けさせていた。
僕は写真を諦め、山を下りることにした。あれは・・・夢だったのだろうか。

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おまけのつもりで短く書こうと思ったんですが、1週間という期間を決めてしまったので、長くなりましたね。

風邪のときに寝すぎて眠れないときに書きました。

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