2024-05

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モデル体験記(9)

次の撮影日、私は車で少し遠くまで連れていかれた。今日はパイ投げ。ワクワクしていた。
詳しく監督に聞くと、パイ投げだけでなく、チョコレートや粉まで掛けられるらしい。私とひなさんはもう大興奮だった。
撮影所に着いて、パイ投げの監督のトーキさんに会った。そこで一緒に撮影に参加する絵瑠さんという女性を紹介された。絵瑠さんは最近流行しているらしいアニメの水色ベースのセーラー服に、髪に黄色いリボンを付けて着ていた。ひなさんは着替え終わってピンク色のどこかのファミレスの店員さん?黒いコルセットが特徴的なものを着ていた。私もああいうのが着たいと思っていたら、監督から今日の衣装を渡された。絵瑠さんと同じエリの黒いセーラー服だ。ガラスの入った眼鏡もつけた。
まず私たち3人ともパイプ椅子に座り、ひなさんと絵瑠さんが後ろ手で手錠をかけられる。
「私はそれしなくていいんですか?」監督に聞いた。
「して貰ってもいいの?」
監督は答えた。私が勿論OKですよと言うと、冷たい手錠をガチャリと付けられ、鍵は監督のズボンのポケットに入った。台本を確認し、せりふを言う。
ひなさん「こ、こわいですぅ~」
絵瑠さん「ちょっと!こう言うのはみくるちゃんの役目でしょ!」
私は黙っていればいいらしい。ただし、なにをされてもリアクション一つとってはダメというのは辛いかもしれない・・・
ティッシュ箱くらいの箱に水色、黒、ピンク色、緑色の玉が入れられる。カメラの前で水色の玉が引かれ、絵瑠さんにパイが勢いよくぶつけられた。次は黒。私がパイをぶつけられた。パイは冷たく、ベトッとしていた。最後にピンク色。ひなさんだ。
今度は緑色がでた。3人同時にパイをぶつけられた。
システムは分かった。それぞれの服の色の玉を引き当てて、その人にパイをぶつける。緑の玉は全員、か。っていっても眼鏡の上についたクリームで全然見えないけど。
それでもほかの二人の声で今誰にパイが食らわされているか分かった。私はただただ呆然とパイを投げられ続け、見えないけどたぶん制服は真っ白けなんだろう。
いったん休憩になった。といっても次のシーンのためクリームまみれのままだったけど。監督は私の眼鏡を取り、次は眼鏡なしでの撮影だよ、と、目に付かなかった分としてパイを1つ食らわせてくれた。
次のシーン開始とともに冷たい液体が全員を(二人が声を出したからわかった)襲った。液体のクリームだ。固形クリームを洗い流すかのようにたっぷりと浴びせられ、ずぶ濡れになった。
ほとんど洗い流されるとまたパイが始まった。今度は玉なんか引かずランダムにポンポンとパイがぶつけられた。と同時に頭から小麦粉を振りかけられた。
粉が頭に盛ると、次はドロッとした液体が流れてきた。口元に落ちてきた液体をなめてみると、チョコレートソースだった。そのチョコレートを掛けられている最中も顔や体にパイが襲った。
しばらくパイが続くと中断になった。順番に手錠をはずされ、顔についたクリームを手で払った。服に付いたクリームは体に塗り付けた。
次に用意されたのは縦2m横1.5mくらいのケーキベッドだった。絵瑠さんがまずうつ伏せで落とされ、その左に私。ひなさんは絵瑠さんの右側にうつ伏せで倒された。監督とトーキさんが横からケーキを丸めだし、絵瑠さんにのっかる形でひなさんとくっついた。
ひなさんは
「うぷっ、涼宮さん、ごめんなさい」といい、絵瑠さんは
「有希!みくるちゃん!重いじゃない!」と言っていた。私は相変わらず黙っていなきゃいけなかった。しばらくひなさんと絵瑠さんが暴れる演技をして、ようやく解放された。
ケーキベッドの上で座り、ホースを渡された。ホースの水で体を流しながら今回の感想を言った。
「あの、一つ質問してもいいですか?」私は聞いた
「なんですか?」監督が答えた
「これ、何かのアニメの衣装なんですか?」
トーキさんが驚いていたが、本当に知らないのだ。
「そうですよ。ちょっと前に流行ったアニメです。」
やっぱり私は世間に疎いなぁ。
3人ともホースでクリームをだいたい洗い流すと、壁際に3人で立たされ、手をつないだ。なるべくくっついて立つと監督、ひろしさん、Dさんの3人でホースで強めに私たちに水を浴びせ始めた。顔を中心にざぶざぶ掛けられ、ビッショビショになった。気持ちいい!
ホースを止められると、最後に1杯ずつバケツで水を浴び、すべての撮影が終了した。

撮影自体は終了したのにまだパイは余っていた。気にせず服を絞ったりしていると、映像関係なしでパイを食らった。しかもただパイを食らうだけでなく、その紙皿を頭に押し上げられ、髪までまたクリームまみれ。さらに液体クリームを頭から浴び、また汚された。つぎは自分でパイを持ち、思いっきり自分の顔にたたきつけ、そのまま服に塗った。その格好のまま別室に行き映像チェックを始めた。

映像チェックが終わると部屋に戻り、またしばらくひなさんや絵瑠さんとケーキベッドやパイ、チョコソースで汚しあった。
それに飽きるとようやく片づけに入った。私たちは着替え終わると片づけを手伝った。

コメント

あとがき

文中、100ちかく浴びせてるっぽく書いてるようにみえるけど、実は15個ずつくらいのつもりで書きました。

某有名アニメの制服をイメージしましたが、そのまえは、「某有名セーラー服戦士アニメ」と「某有名カード使い魔法少女アニメ」と「水色ベースのセーラー服」とも考えたんですが、まぁ統一してみました。折角3人だし。

ちなみに原作見てません^^;
彩夏が演じていたキャラは「無口キャラ」ということにしてます。
本当は小難しい話をしなきゃいけないキャラなのかな?僕の脳内に量子力学は存在しません。・・・つまり、小難しい話は考えつかないってことです。

No title

ちょ、台詞!!
食材っていいですよね~汚されてる感じとか、ヌチャって音とか、重くべっとりした髪とか…
最後に洗い流すのははずせない!!
私もアニメの方はちょぼちょぼ見た程度、原作は読んだけど3巻くらいまでorz

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