2024-05

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モデル体験記 (2-1)

そのホームページには、セーラー服でびちょびちょに濡れている女の子の写真と、『あなたも女優になりませんか』というメッセージが添えられていた。

女優。
幼き日に思った夢だ。父の趣味で連れられて小さな劇団が小さな舞台でやる真剣なお芝居に夢中になっていた。今では淡い記憶でしかない。
でも、もう私は縛られない。『女優』。年齢的にもチャンスは今しかないかもしれない。
ただ、現実的に考えて、AVまがいのことをされるかもしれない。体を触られて、無理矢理させられるなんてことも・・・何しろ、検索してわかったが、監督はやり手のAV監督。裸にされて、抵抗できない状況に、ということもあり得る。だからメールでやりとりはして確認した。確認する限りでは、そういった行為はないとのことだ。ただ演出上少し女性(あのびしょ濡れのかわいい子が共演するらしい)が体に触れることがあるらしい。まぁ、女性なら・・・

ファミレスで軽い打ち合わせで、服のサイズ等をきかれた。すぐに衣装を古着屋に買いに行き、監督の指示で自分の好みのものを選ぶようにいわれ、シャツやデニム、ロングスカートなどをセレクトし、監督が買った。1週間後の撮影まで着て、自分で洗濯することを指定された。しかも、なるべく破らない程度に傷めつけてという指定までされ、洗濯代として報酬(ギャラ?出演料?)とは別にと2000円を渡された。


そして、撮影一日目。
着たのはなんとセーラー服。監督が用意したらしい。でも、なぜか新品ではなく、何度も念入り洗って新品特有のサラッとした感じを失い、寧ろすこし傷んだ感じになっていた。
セーラー服に袖を通したのは何年ぶりだろう。高校はブレザーだったから、10年ぶり!?中学生以来。なんだか着るだけで恥ずかしい。しかもこれを濡らしちゃうわけだから、あーもう、ドキドキしちゃう!
写真でびしょ濡れになっていたあの子がやってくる。写真の印象と同じで幼い感じがした。でも、年は21歳らしい。
「彼女、どこかで見たことない?」
監督が聞いてきた。私がホームページのトップの写真の子ですよね、というと
「いや、ほら、テレビとかで。」
テレビはニュース以外はほとんど見ないというと、女の子はなぜか笑顔になり
「それは良かったです。余計な気使わんでええわけですから」
と、少し関西訛りで言った。

すぐにずぶ濡れになるのかと思ったら、簡単なアンケートからやるらしい。
監督がまず聞いてきた
「芸名とか、なにかある?」
「アヤカっていうの、どうでしょう。」
私の本名は寛子(ひろこ)一文字もあわず、できるなら3文字がいいし、何となくかわいい名前だと思っていた。実際ブログのハンドルネームに使ってたし。
「あやか・・・いいですねぇ。字とかはあります?」
「色彩のサイの字に、夏です。」
「彩・・・夏・・・はい、あ、なるほど」監督はメモに書きながら言った。
「そろそろ撮影どうですか?ひなさんお待ちかねですよ。」
男性が近付いてきて言った。小太りではあったがかなりイケメンだった。
「ああ、そうだな。それでは、あ、彩夏さん、こいつは撮影スタッフのD(ディー)。」
「Dさんって呼べばいいですか?」
「はい。よろしくおねがいします。」Dさんははにかんだ笑顔で言った。
「あれ、ヒトシは?」監督が言った。
「そこで機材の準備してますよ。固定カメラ2台と照明のチェックです。」
「そうか。」
みると細身で背の高い男性がカメラの位置を微妙に動かしていた。そして終わったのか、近付いてきた。
その顔に一瞬、えっ!?と驚きを感じた。見覚えがある。そうだ、あのプロジェクトに多くの出資をしてくださった、若くしてIT会社社長をしている飯島さんだ。
「あれっ?杉原さん!?」
「あ、やっぱり飯島さんですね!?」
「うわっ、まいったなぁ、・・・あれ?何でこんなところに?しかも、女優さんで、ですよね?」
はっとした。今私はセーラー服を着ている。恥ずかしい!穴があったら入りたい!!
「あ・・・」
私は顔が熱くなるのがはっきりとわかった。でも、同時に飯島さんの顔も赤くなっていた。
「なんか、恥ずかしいっす。自分の性癖バレるって。」飯島さんは独り言のように言った。
「あ、私も・・・この格好・・・。」
「あ、でも、会社は・・・?」
飯島さんのその言葉で私は少し醒めた。
「あ、クビになっちゃいました。」私があっさり言うと、飯島さんは驚いた顔で
「えええーーっ!!うっそぉーー!なんでですか!?こっちはあなたの仕事っぷりには驚かされっぱなしだったんですよ!?引き抜きたいくらいだったのに!」
「あ、ありがとうございます。でも、私はもうOLに戻る気はないんです。」
「そうですか・・・」

「なんだなんだ?ヒトシ、知り合いか?」
監督がからかうように言った。
「いや、取引先の・・・」
「『元』社員です」私は付け加えていった。
監督は、へぇー、世の中狭いもんだな、と笑っていた。

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あとがき的な

知り合いがセーラー服着てたらびっくりだ。

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